三原赤十字病院消化器センターでは、消化器内科医が人間ドックなどのスクリーニング検査に加え、内視鏡治療や処置(内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的止血術、内視鏡的静脈瘤硬化療法、ポリペクトミー)や膵臓・胆道系疾患(総胆管結石、胆管腫瘍など)の診断と治療を行っています。
特色・特徴
- 安全で苦痛のない検査と治療を提供するため、不安感をできる限り取り除くよう細やかな配慮を心がけています。
- 安全で精度の高い内視鏡技術を提供できるよう、常に最新式のシステムで対応する努力をしております。
- 地域住民の方々が安心して生活できるよう、夜間帯や休日など診療時間外の緊急内視鏡検査に対応するために、三原市内輪番制に参加し内視鏡待機医師が対応しております。
◆ 消化器センターで行っている処置・治療
項目 | 令和6年度 |
食道・胃内視鏡検査 | 4199件 |
大腸内視鏡検査 | 1172件 |
食道・胃・十二指腸・大腸のポリープや早期がんの切除(EMRなど) | 233件 |
胆管結石や胆道狭窄、膵疾患に対する処置・治療(ERCP等) | 81件 |
消化管出血に対する内視鏡的止血 | 12件 |
食道静脈瘤に対する結紮術(EVL)・硬化療法(EIS) | 5件 |
消化管狭窄に対する拡張術・ステント留置術 | 4件 |
経皮内視鏡的胃ろう造設術 | 6件 |
■ 学会認定指導医、専門医、内視鏡技師による質の高い内視鏡検査
- 医学的知識と内視鏡の専門知識・技能を備えた日本消化器内視鏡学会の認定指導医、専門医および内視鏡の専門知識と技術を備えた消化器内視鏡技師により質の高い検査を行っています。
- ▶岡山大学大学消化器肝臓内科学と▶広島大学消化器内科学の関連病院として消化器内視鏡専門医師の派遣を受けて質の高い内視鏡検査を提供しています。
■ NBI併用拡大内視鏡(M-NBI)システムを導入
- 特定の波長の光を使用して粘膜表面の血管や微細な構造を強調表示するNBI(narrow band imaging)機能と80〜100倍に拡大して観察できるスコープを組み合わせたNBI併用拡大内視鏡システムを導入し、精度の高い内視鏡診断および治療を提供しております。
- 内視鏡洗浄消毒専門の内視鏡洗浄員を配置し内視鏡洗浄消毒にも万全を期しており、清潔で安全な検査・手術を行っています。
■ 土曜日も検査を実施
- 第1土曜日(人間ドック対応)・第3土曜日の午前中にも検査を実施しています。 ※祝休日を除きます。
- 平日、忙しく時間の取れない方に最適です。
■ 鎮静剤・鎮痛剤の使用
- 鎮静剤をご希望に応じて使用します。※経鼻内視鏡は適応外です
- 完全に眠ってしまうわけではありませんが、ウトウトした状態になることで体の力が抜けて苦痛が少ない内視鏡検査を受けて頂けます。
- 比較的時間のかかる検査や治療においては鎮痛剤も適宜併用しています。
※鎮静剤・鎮痛剤は内視鏡によるつらさを軽減する有効な方法ですが、デメリットもあります。以下の注意点についてご理解ください。
- 副作用として、吐き気・おう吐、呼吸の異常(一時的な無呼吸や呼吸の抑制)、血圧低下、不整脈、アレルギー(アナフィラキシー)などがあります。
- 当院では鎮静剤による偶発症を防ぐため、年齢と体重により鎮静剤の使用量を定めています。ただし,鎮静剤の効果には個人差があります。
- 高齢の方や基礎疾患のある方は、医療者の判断で使用を控えさせて頂くことがあります。
- 薬剤は点滴をしながら注射で投与します。
- 使用後は判断力の低下や一時的な健忘(もの忘れ)を生じることがありので、
当日の車・バイク・自転車などの運転は控えてください。また、重要な決断は避けてください。
検査医担当表
内容 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
上部消化管 (胃カメラ) |
寺面 |
山内 高岡・梶谷 |
湯河(明) |
水野・沖 |
湯河(明) 鳩岡・宮本 |
第1週 山内・鳩岡 第3週 山内・水野 |
下部消化管 |
寺面 |
山内・梶谷 |
鳩岡・鈴木 |
水野・沖 |
鳩岡・宮本 | —– |
膵臓・胆道 |
—– |
山内・梶谷 |
—– |
水野・沖 |
鳩岡・宮本 | —– |
上部消化管内視鏡検査
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)について
- 上部消化管とは、食道・胃・十二指腸です。
- 検査は、口または鼻から内視鏡(先端にレンズの付いた管)を挿入する方法で行います。
- 挿入した管は喉を通り、上部消化管 (食道、胃、十二指腸)を観察します。
- 消化管の観察時、胃がんなどが疑わしい粘膜の変化などがあれば、消化管の組織を採取し検査します。
- ヘリコバクターピロリ菌が胃がんのリスクになると言われていますので、胃の状態によりピロリ菌の有無も検査することができます。
こんな症状がある場合は検査をおすすめします
- 胃が痛む
- 胸やけがする
- 便が黒っぽい
- 胃もたれ
- 食欲不振
- 体重が減った など
経鼻内視鏡について
- 鼻から胃カメラを挿入することで吐き気の原因となる舌の根元に胃カメラが触れなくなることが大きな特徴です。
- 経鼻内視鏡では、「オエッ」となりにくいため麻酔は使わずに行うので、検査が終わったら説明を受けてすぐにお帰りいただけます。
【ご注意】経鼻内視鏡が鼻を通過しにくい方は安全上、経口内視鏡検査に変更となります。
下部消化管内視鏡検査
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)について
- 下部消化管とは、盲腸から肛門に至る約80㎝の消化管です。
- 検査は、肛門から内視鏡(先端にレンズの付いた管)を挿入する方法で行います。
- ポリープなどが見つかり、内視鏡的に処置が可能な状態であれば治療を行うことも可能です。
- なお、ポリープ切除術を受けられる方は1泊入院となります。
こんな症状がある場合は検査をおすすめします
- おなかが痛む
- 便秘がひどい
- 便に血が混じる
- 下痢がつづく
- 便が細い
- 腹部の膨満感 など
膵臓・胆道内視鏡検査(ERCPなど)
- 膵臓・胆道系疾患の治療については、より侵襲が少なく有効性の高い医療を提供できるよう努めています。
- 診療および治療には日本消化器内視鏡学会専門医があたっています。